三十路先生の日本語教室その弐
今日は10時半出勤(肉体労働)なので
それまでにネタをひとつ。
最近、テレビやラジオで聞いて、気になる
言葉をいくつか挙げてみよう。
@違和感を感じる
別に、間違ってはいないと思う。しかし「感」が
すぐ近くに続いてしまうので、すわりが悪い。
「馬から落馬する」に近い。
「違和感を覚える」くらいにしてもらいたい。
@(一緒に)参りましょう
よく「それでは天気予報に参りましょう」などと
聞くし、普段耳にすることの多い言い回しである。
「参る」とは、「行く」の謙譲語である。つまり
自分が謙ることで相手に対する敬意を表する言葉
である。「一緒に参りましょう」では、同行者にも
謙ることを強要しているようで、失礼極まりない。
「一緒に行きましょう」で十分だと思う。
@おもむろに
「おもむろに~する」という言い方も、よく聞く。
聞いていると大抵、「いきなり」とか「突然」という
意味で言っているようだ。
「おもむろに」の正しい意味は、「ゆっくりと」
「しずかに」という意味である。まったく逆の意味で
使われている言葉といえよう。
@持論を持っている
これも、案外よく聞く言葉。
「持論」とは「日頃持っている意見」という意味であるから
完全に「重言」のひとつである。
@重複(じゅうふく)
当たり前だが、「ちょうふく」が正しい読みである。
が、パソコンで「じゅうふく」を変換すると「重複」と
出てくるからあきれる。最近の辞書には、「じゅうふく」とも
読む、などと書いてあるものもあるらしいが、三十路は
断じて認めぬ。
以前にも書いたが、言葉は時代とともに変わっていく。
上に挙げた例も、いずれは「正しい言葉」として定着
するのかもしれない。
むしろ三十路のような意見を述べる者こそ
「古くて頭の固いオヤジ」
と言われてしまうだろう。
だが、ある程度の「日本語の伝統」は守って行きたい
ものだ・・・という考えが、オヤジ臭いんだよ!
・・・はい、すみません・・・。
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