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はじめてのレコード


部屋の片付けをしていたら、古いシングルカセットが
出てきた。

シングルカセット・・・

今では演歌くらいしか目立たないですが、昔は普通に
存在していました。


国実百合:「きっと・・・」
これが私が初めて買ったレコードです。
書き込まれている日付を見ると、1990年1月28日
とあります。懐かしい。

続いて、
田村英里子:「プロセス」
これまた日付を見ると、1990年2月1日。

この頃の私は、中卒浪人○年目。
定時制高校の受験を1箇月後に控え、勉強にも力が
入って・・・いたというほどでもなかった時期でした。

国実百合さんの曲は、前年の夏に発表されたもの。
チラッとテレビで唄っているのを見ました。

こ の 人 本 当 に 歌 手 か

と思うほどインパクトのある歌唱をしておられました。
彼女は後に、名前の漢字をかえて心機一転、という
感じでしたが、「クイズ年の差なんて」に出演している
のを91年に見てから、姿を見なくなりました。
表向きは体調不良、実は結婚引退という噂でしたが。


田村英里子さんの曲は、発売日の翌日に買ってます。
大雪の中、買いに行った思い出が蘇る・・・。
田村さんは、前年デビュー。
歌唱力を売りにして、のし上がってきたらしい。
前年の「レコード大賞」の新人賞を、マルシアさんと
争っていました。負けたけど。
この曲を発表した90年あたりから、

「 肉 体 威 圧 系 ア イ ド ル 」

としての活躍が目立ってきたようでした。
横チチ・尻出しカレンダーという、恐ろしいモノを
出したりしました。

しかし、田村さんの後押し(足引っ張り?)をしたのは、
「アイドル伝説えり子」
なる漫画とアニメだった・・・らしいです。

この種の話題になると、歯切れが悪くなるのは(しかも
正確でなかったり)、私にはアニメや芸能人のファンに
なる事が許されてなかったからです。

うちの親は、「不登校のくせに、芸能界やアニメ
に現を抜かす事など許さぬ」というスタンスを取って
いました。

中学に上げてもらった頃には、「アニメ・芸能人・
バラエティ番組禁止令」が出されました。
唯一の例外は、「夕やけニャンニャン」でしたが、それも
親父に潰され。

アニメに至っては、「そんな子供騙しの番組を観るな」でした。
かくして「北斗の拳」も、サウザー死亡までしか観ることが
出来ず。
漫画は、兄が持っていた本以外はダメ。自分で買うのは、
小説か、天文関係、つまり活字の本のみ許されました。

そんな教育を受けてきた私が敢行したのが、この
レコード(カセット)購入でした。

私にはテレビのチャンネル権が無かったため、自由になる
のはラジオのみでした。ラジオからカセットに音楽をこっそり
録音して、イヤホンで楽しんでました。
ラジカセも、兄のお下がりの1979年製。オートリバースは
もちろん、ダブルカセットなど、夢のまた夢でした。
AMラジオから録音したモノラルの音を、天にも昇る気持ちで
聴いていたものです。

それが、いきなりステレオ録音のレコードを聴いたもの
だから、びっくり仰天。なんだこのクリアな音。
「きっと・・・」購入から「プロセス」購入まで4日というのは、
ステレオの素晴らしさに気づいたからです。

しかし、そんな暴挙を親が許すはずもなく。
これらのカセットはもちろん、ラジオから録音したカセットも
Hな切り抜きとともに、鍵付きの引き出しに隠していました。

しかし、定時制高校に通うようになって弱みが無くなったので
少しずつ大胆に音楽を聴くようになりました。もちろん、
ヘッドフォンは必須です。親に聞こえようものなら、取り上げられて
しまいます。

翌91年にはCDラジカセを買い、なんとか音楽は黙認される
ように。しかし、CDを親に見つかったときの戦慄は、今でも
生々しいものがあります。結果的に、「音楽は仕方ない」と親に
認めさせる事になったのですけど。

アニメに関しては、今でも禁止です。
しかし、パソコンを使うようになっていろいろな人と知り合い、
ついに私もアニメデビューのときが来ました。
「プリキュア」をはじめとする素晴らしい作品と出会い、とても
幸福です。「アニメ禁止」ですから、自室のテレビでヘッドフォン
とビデオを使ってこっそり視聴。

しかし私だってもう、30をとうに過ぎた身。
自分の意思でアニメを観て、自分の意思で音楽を聴きます。
「プリキュア」観てることがバレても、開き直ってやる覚悟です。
Hな本が見つかっても、開き直る所存です。
音楽だって、たまにはスピーカーで鳴らします。

今ではすっかり、ヲタクおやじ。
芸能人には走らず、漫画・アニメキャラに走る三十路男。
たしかにちょっと怖い。ってか、危ない。
ドツボにはまりつつ、来週もプリキュアを楽しみに
しているのであった・・・。

初めてのレコードを見て、そんな思い出が走馬灯のように
脳味噌を駈け巡った。
嗚呼、懐かしい青春時代。あの日は二度と還らない。
これからの私に、幸あれ。(まとまらねえ)
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Author:五十路
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